世界で栽培されるお米の特徴とは?

味の違いの決め手はあの成分に!

世界中で栽培されているお米には、どのような特徴があるか知っていますか。今回は、世界で栽培されているお米の種類や特徴についてご紹介します。また、同じ品種でも、銘柄や育てる地域によって味の特徴が変わるのはなぜか、といった疑問にもお答えします。お米のルーツや特徴を知るきっかけになれば幸いです。

1. 世界で育てられているお米の特徴

世界で栽培されているお米には、「アフリカイネ」と「アジアイネ」の2種類があります。アフリカのごく一部だけで栽培されているアフリカイネを除いて、世界で育てられているほとんどがアジアイネです。アジアイネは3種類に分類され、それぞれ特徴が異なります。

1-1. ジャポニカ種

日本型イネのジャポニカ種は、その名の通り日本で広く食べられている種類です。日本の他には、朝鮮半島や、中国とヨーロッパの一部地域で育てられています。

楕円形の丸みをおびた形が特徴のジャポニカ米は、炊き上げた時の「弾力」と「粘り」の良さが特徴です。これは、ジャポニカ種に「アミロース」というデンプン質の含有量が少ないことが関係しています。アミロースが少ないと、噛みしめるほどに甘さが増して、柔らかい食感が楽しめるでしょう。また、ジャポニカ種は、冷めても味わいが落ちにくいため、おにぎりなどの携帯食としても適しています。このように、稲作伝来の時期に中国から伝わったお米を、長年の品種改良などを通じて日本人好みの味に進化させ続けたことで、ジャポニカ種が定着していった歴史があります。

1-2. インディカ種

インド型イネであるインディカ種は、世界で最も栽培されているお米です。中国中南部や、タイなどの東南アジア、インド、アメリカなどで育てられています。世界の米生産量の80%を占めるといわれているインディカ米は、日本ではあまり見かけることのない種類です。

インディカ米は、ジャポニカ種に比べて細長い形状をしているのが特徴です。粘り気が少なく、パラパラとした食感を活かせるピラフやチャーハン、パエリアなどによく合います。インディカ種には、アミロースが多く含まれるため、ジャポニカ種とは正反対の特徴を持っています。そのため、インディカ種は炊き上げても硬めでぱさぱさとした食感です。あっさりとした味わいが楽しめるため、混ぜ込みご飯が主流の食文化圏で定着しています。

1-3. ジャバニカ種

ジャワ型イネのジャバニカ種は、インドネシアのジャワ島や中南米で育てられている種類です。「熱帯ジャポニカ」と呼ばれることもあり、ジャポニカ米から変異した品種ともいわれています。

ジャバニカ種は、幅広の楕円形をしています。ジャポニカ種と比較して、より大粒で、粘り気が少ないのがジャバニカ種です。日本で食べられることの少ない品種ですが、ジャバニカ種が栽培されている国では、パエリアやリゾットによく使われます。

2. 銘柄や産地の違いでお米の特徴に差があるのはなぜ?

日本全国で栽培されている「ジャポニカ種」ですが、銘柄や産地によって味に違いがあります。同じ種類のイネなのに、どうして味の違いや特徴が生まれるのでしょうか。

2-1. 銘柄による味の違いは「デンプン質」によって左右される

お米を食べた時に感じる以下の項目は、デンプン質の違いによって左右される要素です。
・粘り気
・硬さ
・香り
・甘み

前述したように、アミロースの少ないジャポニカ種ですが、銘柄によって含有量に差があります。アミロースが少ない銘柄は、もちもちとした粘り気と柔らかい食感を、とくに強く感じるのが特徴です。お米に含まれるデンプン質には、アミロースの他に「アミロペクチン」という成分があります。アミロペクチンが多いと、唾液による消化酵素の分解が早く、甘みを感じやすいとされています。やわらかく、もちもちした甘いお米を求める方には、アミロペクチンの割合が高い低アミロースのお米がおすすめです。

2-2. 同じ品種でも育てる場所によって味の特徴が変わる

同じ品種のお米でも、育てる地域によって味の特徴が変化します。その理由も、お米に含まれるデンプン質の「アミロース」にあるのです。イネの穂が実る時期に、周囲の温度が低いと、アミロースが増えるといわれています。同じ銘柄でも、お米を育てる地域によって、粘り気や硬さに差が出るのはそのためです。また、土壌中の窒素やマグネシウムの量も、お米の味に影響を与えます。同じ銘柄でも、育てる地域によってさまざまな味の特徴が楽しめるため、お米を購入する際には、どこ産かという点にも注目してみてはいかがでしょうか。

3. まとめ

世界中で食べられているお米も、品種や銘柄、産地によって特徴が異なることを紹介しました。色々な銘柄のお米を試して、硬さや甘さの違いを食べ比べしてみてはいかがでしょうか。自分好みの銘柄を見つけて、毎日の食事を楽しんでみてください。
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