おいしいお米ができる島根県!

どのような土壌かを詳しく解説

中国地方の山陰にある島根県には広大な平野こそないものの、農業が盛んでお米もよく取れます。野菜やお米がよく実る島根県の土地は、どのような土壌なのでしょうか。島根県は東西に長く東側には1,000m級の中国山地もあり、県の各地域で土壌が変わっていきます。今回は島根県の土壌について詳しくご紹介します。

1. そもそも土壌とは

土壌(どじょう)とは学術的に「地球上の陸地の表面を覆っている鉱物、有機物・気体・液体・生物の混合物である」と規定されています。一般には土(つち)と呼ばれています。さらに陸地だけでなく、水深2.5m以下の水中の堆積物も土壌の範疇です。

1-1. 土壌が生成される流れ

土壌又は土の元となる岩石などを母材といいます。その母材に生物が作用し、更に生物の遺体が腐植となって母材に加わるなどして、生物作用が付加されて土壌が作られます。

2. 日本の土壌の特徴

火山国日本の農地は火山灰土壌が多く、元々の母材の性質が農産物の生育に不向きな傾向があるため、生産力の低い土壌が多くなりがちです。また温暖多雨な気候に急峻な地形などの影響で、腐植の分解や塩基(えんき)の流れだしが生じやすく、地力も低下傾向があります。

2-1. 日本の土壌の分布

日本の水田は灰色低地土・グライ土・黒ボク土の3土壌が多く、水田全体の約80%を占めています。各土壌ともにやや排水の悪い点が特徴です。
畑土壌は、火山灰由来の黒ボク土がほぼ半分を占めます。耕地全体をみれば、灰色低地土・グライ土・黒ボク土の3土壌が約60%を占めるのです。

3. 島根県は水田が広範囲に広がっている

山陰地方にある島根県は、中国山地の北側に位置しています。東西の距離は約230kmあり、日本海に面する海岸線の長さは1,027kmにおよぶ、東西に細長い県です。東側の中国山地から日本海へと急傾斜の土地は狭く長く、全般的に平地が少ない県です。
林野面積は526,000haあり、県の総土地面積の78.4%を占めています。耕地面積は約38,000haあり水田が約30,500haで、水田率は80.3%と稲作メインに栽培されています。以下では島根県の水田土壌の概略を紹介しましょう。

3-1. 多湿黒ボク土

「多湿黒ボク土」は、台地のくぼ地や谷合いなどに見られる多湿の火山灰土で、水田として使用されている土壌です。島根県でも丘陵地の谷あいや黒ボク丘陵地と、その周辺の沖積地(ちゅうせき)が該当します。
島根県の雲南市など雲南地方と、大田市・瑞穂町に分布しています。リン酸の施肥(せひ)が不可欠です。

3-2. 黒ボクグライ土

「黒ボクグライ土」は火山灰台地や丘陵地間の低地など、地下水位の高い排水不良地に多く見られます。主に水田として利用されるものの、排水対策が必要になります。雲南地方の一部にみられる土壌です。

3-3. グライ台地土

「グライ台地土」は台地や山地の一部、または丘陵地に存在し、下層にグライ層をもつ粘土質の土壌です。島根県では雲南地方などに、棚田としてわずかに分布しています。

3-4. 黄色土

「黄色土」は台地や丘陵地の標高200m以下の地帯に分布しています。それぞれが小面積だけに県下各地にあるのです。細粒黄色土は益田市に多くみられ、中粗粒黄色土は雲南地方に多く見られる土壌です。

3-5. 褐色低地土

「褐色低地土」は沖積低地のうち、比較的排水が良好なところにあります。土色はおおむね黄褐色で礫質です。島根県では河床の低い谷底平野に多く見られ、美濃・鹿足地方に分布しています。中粗粒質や礫質土壌で排水がよく、農作業はスムーズにできます。

3-6灰 色低地土

「灰色低地土」は乾田土壌(かんでんどじょう)で地下水位が低く、80cm以内にグライ層が認められない土です。グライ層が地下水の低下で酸化し、灰色化したものです。扇状地や河床の低い谷底平野に多く見られます。島根県は広く分布していて、一般的に生産力は高い土壌です。
灰色系の細粒灰色低地土は、大田・邇摩・邑智地方に多く分布しています。中粗粒灰色低地土は雲南・安来・能義・邑智地方に多く見られるものです。

3-7. グライ土

「グライ土」は主として河川や湖岸や海岸沿いの沖積平野や、台地や丘陵地間の低地に分布しています。島根県での分布割合が最大の土壌群です。地下水位が高く排水はよくないため、湿田や半湿田となっていることが多くなっています。
グライ土にも種類があります。細粒強グライ土は宍道湖や出雲平野周辺の谷底や山麓部に多くみられ、大田・邇摩・浜田・那賀地方にも広く分布しているのです。中粗粒強グライ土は出雲・簸川地方の主要な土壌群です。また雲南・松江・八束地方にも多く見られます。
礫質強グライ土は、県下各地に分布しています。細粒グライ土は安来・能義・出雲・簸川・松江・八束地方に、分布している土壌です。中粗粒グライ土は安来・能義・出雲・簸川地方や雲南地方に分布し、グライ土・下層有機質は出雲・簸川地方・美濃・鹿足地方に、少しだけ分布しています。稲作期間は溝切りなどで、水の管理が必要です。

4. まとめ

今回は島根県の土壌について解説しました。土壌は種類があり、実際に耕作した経験がなければ分かりにくい面があります。そしてさまざまな土壌の特製を活かし、稲の品種改良の成果で島根県全土にておいしいお米が収穫されているのです。 「有限会社原田米穀」は、島根県のおいしいお米を広く取り扱っています。お米のプロがいる米穀店です。おいしいお米について何でも相談をお受けしておりますので、ぜひとも一度お問い合わせください。