日本におけるお米の単位の歴史とは?

移り変わりについて解説

お米を表す単位は、現在「kg」表記に統一されています。しかし、昭和初期までは日本独自の単位が使われていたのをご存じでしょうか。お米の単位は日本人の生活に深く根付いていたので、使われなくなった今でも、言葉として残っている表現もあります。今回は、日本人の主食として欠かせない「お米の単位」の歴史についてご紹介します。

1. お米の単位が「kg」に統一されるまでの歴史

戦国時代に、織田信長と豊臣秀吉によって統一されるまでは、日本全国でお米の単位に共通の決まりはありませんでした。両名によって、枡の大きさが定められたあとも、全国的に定着するまでは時間を要することになります。しばらくの間、地域によってばらつきがみられたお米の単位を完全に統一したのが、徳川家康です。徳川家康が興した徳川幕府によって、1669年に「一升枡(しょうます)」の大きさが日本全国で統一されました。
1升という単位は、100倍になると「石(こく)」と呼ばれます。「100万石の大名」などの言葉を聞いたことはありませんか?「石」は、その土地でとれる玄米の生産量を表した「石高」を表す単位として、大名の財力や兵力の指標になっていました。江戸時代には、石高によって階級が分けられ、城を持てるかどうかの基準にもなっています。たとえば、城の所有は、3万石の石高を有しているかを条件に定められていました。また、農民が納める年貢も、石高を元にして計算されました。
時代劇などでみかける「俵」ですが、江戸時代には、まだはっきりとした基準は定められていませんでした。蔵に積まれた年貢米のイメージから、「1俵=1石」と考えてしまいそうですが、この2つはまったく違う単位です。明治時代以降に登場する「四斗俵(しとびょう)」という俵をもとに計算すると、1俵の重さは約60 kg、1石の重さは約150 kgとなり、2倍以上の差があります。このように考えると、100万石がいかに途方もない数字かを実感できるのではないでしょうか。
昭和初期までは、一般的に販売されているお米の単位として、一合枡や一升枡、一斗枡が使われていました。しかし、昭和34年の法律改正により、国際的な単位である「kg」表記に統一するよう決定されました。現在、スーパーや小売店に並んでいる米袋に「kg」と表記されている背景には、このような歴史があります。

2. お米の単位の種類

これまでに、さまざまなお米の単位が登場してきましたが、関係を整理してご紹介します。当時の日本では、重さではなく容積でお米を量っていました。こちらでは、分かりやすいように「重さ」で表記しています。

2-1. 一勺(しゃく)

重さは約15gです。勺は、お酒をそそぐ「おちょこ」の容量を表す単位として、今でも使用されることがあります。

2-2. 一合(ごう)

重さは約150gです。一勺の10倍にあたります。リットルで表すと約180ccとなり、計量カップ1杯分に相当します。炊飯器の容量を示す単位として、今でも「合数」が使われているため、家庭でも耳にする機会があるのではないでしょうか。

また、日本酒をたしなむ方になじみ深い「一合徳利」の「一合」は、この単位のことです。お酒を量る場合は、重さではなく容積を基準にするため、一合は、180.4mlとなります。

2-3. 一升(しょう)

重さは約1.5 kgです。日本酒の一升瓶や、一升枡という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。一合の10倍の単位が一升です。

2-4. 一斗(と)

重さは約15 kgです。一升を10倍にすると一斗になります。一斗缶や一斗樽は、今でも見かける機会が多いでしょう。一斗缶は、飲食店では業務用油や洗剤の入れ物として使われています。また、せんべいなどの食品が一斗缶入りで販売されていることもあるため、容量を想像しやすい単位ではないでしょうか。そして、一斗樽は、祝勝会などで「鏡開き」をする際に用いられる酒樽のことです。このように、お米に対しては使われることが少なくなった単位ですが、お酒に関しては今も定着していることが分かります。

2-5. 一俵(ひょう)

重さは約60 kgです。一斗の4倍の単位が1俵になります。前述したように、「俵」が統一されたのは明治時代以降のため、お米の単位の中では比較的新しいものです。

2-6. 一石(こく)

重さは150 kgです。一斗の10倍の単位が一石となります。

3. まとめ

お米の単位が、意外に細かく分かれていることに驚いた方もいるのではないでしょうか。日本人にとって、それほどお米が大切だったことの表れかもしれません。また、一升瓶や一斗缶などは、今でも耳にする言葉です。これからは、生活の中で使われているお米の単位にも目を向けてみてください。 島根県松江市にあります「有限会社原田米穀」では、数々の島根県産のお米をご用意しております。当社では、お客様がお求めになりやすい容量のお米を取り揃えておりますので、ご来店・ネット通販のご利用をお待ちしております。西の横綱として、味と品質の良さに高い評価を得ている島根県産のお米を、ぜひ一度味わってみてください。