古代の歴史が残り宍道湖も江川もある!

島根県の豊かな水について解説

中国地方の日本海側に位置する島根県は、山陰地方に属しています。東隣りは鳥取県、西は山口県、南は中国山地をへだてて広島県と接しています。県北東の40~80kmの日本海に、後醍醐天皇ゆかりの隠岐諸島があります。 そんな島根県は、豊かな自然に抱かれた水が美味しい県ということでも有名です。この記事では、島根県の水について詳しくご紹介します。

1. 島根県の気候

島根県は日本海側の山陰地方にあることで、日本海側気候に含まれます。梅雨期や冬季に降雨や降雪が多くなります。島根県は自然環境からみれば、水源に恵まれている県です。
また、沿岸地帯の平坦部から中国山地の山間部まで高度差が約1000mあり、同一県内でも気温は地域によって異なります。標高の高い山間部は夏季の時期は比較的冷涼ですが、冬季は最深積雪が40cm程度まで降雪があることが多いのです。
年間降水量は1550mmから2100mmほどで、山間部で多くなっています。年間日照時間は、平坦部では1700時間から1800時間ほどありますが、山間部は1600時間前後と少なくなります。

2. 島根県の地形

水は地形と関係することが多く、最初に島根県の地形に付いて特徴を紹介します。

2-1. 島根県の約90%が山地

島根県の約90%は山地や丘陵地が占めていて、県の東側から南側の広島県の県境は中国山地が連なり、平地は多くありません。

2-2島 根県は東西に長い県

島根県は全国で19位の面積がある県で、日本海と中国山地に挟まれた東西に長い県で、県の東端と西端の距離は約230kmあります。車で移動すると4時間ほどかかります。

2-3. 島根県を代表する川

斐伊川(ひいかわ)は島根県東部を代表する河川です。島根県は神話時代から歴史が残り、刀の元となる、たたら製鉄の伝統があります。斐伊川流域はその舞台で、斐伊川はヤマタノオロチ伝説で知られ、昔から氾濫を繰り返し、現在は川床に砂が堆積して天井川となっています。
江の川(江川)(ごうのかわ)は中国太郎とも呼ばれる中国地方最大の河川です。源流は隣の広島県内で、中国山地を流れて日本海側の江津市で海に注ぎます。流路延長194kmの一級河川で、島根県の水源になり中国地方一の大河です。
高津川は島根県の西部を流れる一級河川で、島根県一の清流です。流域は豊かな森が生い茂り、自然の川本来の姿をよく保っています。

3. 島根県の水の特徴

島根県は東西に細長く、南北は日本海と中国山地に挟まれた狭い地形で、東部地区は斐伊川水系、西部地区は江川水系がそれぞれの水源になります。

3-1. 島根のおいしい水は「緩速ろ過」法

島根県の水道水は、清流が流れる河川から取水され、微生物が自然水を浄化する「緩速ろ過(かんそくろか)」という方法で、安全なおいしい水を作っています。日本の多くの地域で採用されている「急速ろ過」とは異なる、おいしく体に優しい飲み水です。

3-2. 島根県の農業用水

農業の根幹を支える農業用水は、稲を始め、農作物の生育を支える重要な資源です。県では各地域に農業用排水路などの農業水利施設を充実させ、農業生産のための機能だけでなく、地域の景観保全や防火用水機能など、多面的な役割を果たしています。

4. 島根県の名水

水源に恵まれている島根県には環境省選定の「名水百選」に選ばれた名水が5カ所あります。それぞれを紹介します。

4-1. 天川の水

「天川の水(てんがわのみず)」は、島根県の隠岐群島にある中ノ島の清水寺(せいすいじ)の一角に湧き出ています。

これは奈良時代の高僧・行基(ぎょうき)が隠岐をおとずれた際に、森林の木陰の洞窟から流れている湧水に一方ならぬ霊気を感じて、この水を天川(天恵の川)と名づけた、由緒正しき名水です。島でありながら、水量は一定量を保ち、生活用水や農業用水などに利用されています。

4-2. 壇鏡の滝湧水

「壇鏡の滝湧水(だんぎょうのたきゆうすい)」は、隠岐群島の隠岐の島町、横尾山(標高577m)山中に湧き出ています。壇鏡神社付近から流れ出た清水は、高さ約40mの二条の滝として流れ落ちています。
万病にきく長寿の水として古くから飲まれてきました。現在では、簡易水道・林業・農業用水などと広く利用されています。

4-3. 浜山湧水群

「浜山湧水群(はまやまゆうすいぐん)」がある浜山は、出雲市の南北約2.5km、東西約1km、標高47mの小さな山です。この地のあちこちで水が湧き出ていて、「浜山湧水群」をなしています。鉄分のない中性水で水質がよく、醤油作りにも使われています。

4-4. 鷹入の滝

「鷹入の滝(たかいりのたき)」は、鳥取県との県境に位置する鷹入山にある、高さ10mの三段の滝です。オオサンショウウオがすむ豊かな環境が残り、この滝を源流とする小竹川の伏流水が、小竹簡易水道の貴重な源水として利用されています。

4-5. 一本杉の湧水

「一本杉の湧水(いっぽんすぎのゆうすい)」は清流高津川の源泉の地に、一本杉がどっしりと構え、そこから湧き出た水が川の流れを生みだしたという伝説が残っています。今も残るこの一本杉は、樹齢1000年以上といわれ、島根県の「名樹百選」にも選ばれています。

5. まとめ

島根県の水に付いて紹介しました。雨量や積雪など水資源に恵まれている島根県には、宍道湖や一級河川があり、稲作に大きく貢献しています。また、歴史を誇る名水もあり、おいしい水が飲める県です。 島根県松江市の「有限会社原田米穀」は地元島根県の美味しいお米はもちろんのこと、全国各地の人気ブランド米まで取り扱っています。お米のプロ「五つ星マイスター」の米穀店で、お米に関するさまざまな疑問についてもお答えいたします。ぜひ、何でもご相談ください。