仁多郡奥出雲町

歴史のある仁多地域の米づくり

島根県東部は中国山地のふところに神話と伝説、たたらの里、仁多郡が仁多米のふるさとです。有名な神話の中で、スサノウノミコトとヤマタノオロチの舞台となった斐伊川の源流がここにあり、古来より農作物の豊富な地域であったことが出雲風土記でも紹介されています。また、仁多郡で稲作が始まったのは弥生時代中期からとも言われており歴史のある米生産地です。

島根米は全国の米生産量の中でわずか1%弱、かつ仁多米は島根県全体の3%の生産量でしかなく、本来は稀少価値の高いお米といえます。島根県内でなぜ、仁多米が優良産地のお米なのか?をご紹介します。

なぜ、仁多米が美味しい?

1. 土づくり

この地方は、花崗岩土質と牛たい肥を完熟させた肥料を使用していることが特徴といえます。

本来、日本の農業は循環型の農業であり、この地域自体で牛を飼っている農家が多かったことから、牛完熟堆肥はごく普通に使われていました。

2. 豊かな水

田んぼ1反のお米を作るのに約150tの水が必要といわれています。

山の大きさが水量豊かな雪解け水を蓄えます。島根県内でも比較的標高の高い山々(・吾妻山1239m・猿政山1268mなど)のふもとで、ミネラル豊富な湧き水を十分使えることが強みです。

3. 標高が高い立地条件

仁多地区の田んぼは、標高350~400mに立地していることから昼夜の寒暖の差があります。

お米は日中の寒暖差が大きいほどお米に甘みが増すとも言われています。標高の高さから温暖化の影響を受けることが比較的少ないため良食味を保てるのもこのような立地条件であればこそといえるでしょう。

4. 生産者の努力

平成22.23年産米が全国食味分析鑑定コンクール金賞受章

など、全国的にも「仁多米」の知名度は高まってきました。その主役は、やはり生産者の努力としか言いようがありません。近年、農業法人化により後継者育成も盛んになりつつあるようです。農業生産者の高齢化は日本の農業に深刻な影を落としています。仁多米の認知度が上がれば継続した高品質の米生産が求められますが、後継者育成はとても重要な課題といえるでしょう。